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コラム
富田 たかし先生
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「アクアライフコミュニティーが地域社会に元気と希望を与える」をテーマに、
便利さや効率を目指すことで失ってしまった私たち日本人へ、人間力向上を促す「文泳両道」で心の栄養や癒しを補給する各種オリジナル・ビタミンをシリーズでお届けいたします。
ご案内役は、テレビやラジオでおなじみの心理学者・富田たかし先生です。

今回は、オリンピック水泳選手の登竜門、全国ジュニアオリンピックカップ大会実行委員長、(財)日本水泳連盟理事であり、千葉県柏市で柏洋スイマーズを運営している鈴木浩二さんをゲストにお招きして、7回のシリーズ連載でお届けいたします。

ビタミンH(心構え)の補給で、人間力向上の効果が出る
鈴木 浩二氏
富田 たかし先生

第四節
差別ではなく、男女の違いを区別することで
質の高い指導が可能になる

富田氏
教えてらっしゃって、男女差みたいなものは感じられますか?
鈴木氏
私は、ずっと女子選手のコーチできました。希望しているわけじゃないんですが、なぜかそう決まっているようです(笑)
男子だったら途中までさぼっていても、ここ一番で本気になる。ところが、女子は、普段からまじめにやっているので、ここ一番で疲れてくる。(笑)
なにからなにまで、違いますね。
例えば、千葉県のトップクラスを集めた合宿で練習日誌を付けさせる。男は「疲れた」の一行です。男のコーチも面倒くさいことは、一切やらない。男同士のあうんの呼吸みたいなことがあるんです。ところが女子は、そうはいかない。凄い量の日誌を書いてきます。こちらも、それに応えようと赤字で、返答する。数日も立つと日誌と言うより交換日記のようなありさまです。(笑)
富田氏
なるほど。合宿のような場所で、自分の力を発揮して、それをきちっと評価される場って、とても貴重ですね。今は、そういう経験が極端に少なくなっていると思います。ところで、そうした男女差は、年少や幼児の場合でも顕著(けんちょ)なんですか?
鈴木氏
私は、基本的に男女、七歳にして席を同じうせず・・という考え方ですね。小学校へ上がるくらいから、男女の世界は違ってきます。できれば選手は小学校1年から分けて指導したいですね。この時期、女子は男子よりいろいろな面で優れていますし、きっちりしていますから、早い時期に「なぜ」という基本的理論を教えて、ある時期までに形を作る必要があります。そこから、最後まで残る可能性のある子を探していくような作業ですね。
一方、男子はどのように楽しく続けたいと思わせるかが鍵です。ちゃらんぽらんでかまいません(笑)男子は高校生2年生ぐらいから頑張って、3年生でそろそろ結果を出し始めて、大学になってからが本当の勝負です。
女子と男子では、その過程がまったく違うんです。
富田氏
知能の発達を見ても、女の子が幼少期に男の子に水を開けるのは、言語能力の発達が早いからです。そうすると、同じように理解していても、女子の方が遙かに表現する力を持っている。それで、最初の時期、勉強などでも女子が先行するようになるんですね。
鈴木氏
実際、7歳、8歳の男子を教えると、実はあんまり誉めるところがないんですよ。女の子の方がずっと上達が早い。で、男の子がどんどん卑屈になっていく(笑) そうすると、男子はキャラクターを誉めるしか手がない。その時期は、なにやっても女の子の方が優れています。
それが、高校になるとまったく立場が逆転します。
富田氏
あー、ある時期を境に、立場が入れ替わるのですね。
鈴木氏
そうなんです。高校生ぐらいになると男子が右肩上がりなのに対して、女子は右肩下がりになってきます。自然に、男子をおだてて、女子は慰めるようになります。女子が集まるとネガティブの集団で、それを乗り越えるのがたいへん。
国体などで女子チームを連れていくときは、終わる日を、指折り数えていますよ(笑)

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