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コラム
富田 たかし先生
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「アクアライフコミュニティーが地域社会に元気と希望を与える」をテーマに、
便利さや効率を目指すことで失ってしまった私たち日本人へ、人間力向上を促す「文泳両道」で心の栄養や癒しを補給する各種オリジナル・ビタミンをシリーズでお届けいたします。
ご案内役は、テレビやラジオでおなじみの心理学者・富田たかし先生です。

今回のゲストは、セントラルスポーツ株式会社常務取締役で、鈴木大地(元オリンピック金メダリスト)など多くのトップアスリートを育成指導しているゼネラルコーチの鈴木陽二氏です。
ビタミンS(素直な心)は、トップ・アスリートの大きな武器である。
のテーマでお届けいたします。

ビタミンS(素直な心)は、トップ・アスリートの大きな武器である。
鈴木 陽二氏
富田 たかし先生

自身へのチャレンジこそ、人間力向上のキー・ポイント
自分自身に挑戦することが人間力向上に役立つ

富田氏
最近、社会問題化しているいじめなどにも、トップアスリートは強いと言われますが、指導されていらっしゃって実感するようなことはありますか?
鈴木氏
そうですね、小さい頃から競技会や記録会に出場して、常に自分自身に挑戦して行くという立場にあるので、自然に周りのプレッシャーへの抵抗力が養われていくという面はあると思います。問題を克復していこうとする力と言ってもいいでしょうね。
富田氏
自分に勝つと言うと、すこし古い言い回しかもしれませんが、ある種、自身をコントロールする術を覚えていくってことですね、小さい頃から。
鈴木氏
そうです。早い子なら6歳の頃から競技会に参加するんですが、人と競争すると言うよりは、自己のタイムへのチャレンジですね。そこに喜びを見いだしていく。
富田氏
手応えをはっきりと認識できる場所があるんですね。
鈴木氏
小さい頃は、どんどん記録が伸びて楽しいのですが、ある頃から、限界にぶつかるようになります。特に女子は高校生ぐらいから身体つきが違ってきますから、その辺に難しさがあります。
富田氏
大学生になると大学のクラブでの練習を優先するものなのに、鈴木コーチの場合は、多くの選手がコーチの所へ残ったと聞いたことがあるのですが・・。
鈴木氏
世界と戦かう選手を育てようとすると、、大学生まで指導できる環境を整えないと世界とは戦えない。
富田氏
なるほど、一番、個性が出るというか、能力が発揮できる年代ということですね。
鈴木氏
はい。ジュニアから大学生まで一環システムで育成できる組織を作らないと、世界に太刀打ちできないと考えていました。
富田氏
大学に負けないようなシステム作りをやっていらっしゃったんでしょうね。
鈴木氏
大学に負けないという意識はなく、気がついたら、そうなっていただけですよ(笑)
富田氏
いえいえ。
鈴木氏
強くしよう、強くなろうと願っていたからできたと思うんです。特にクラブへ残るようにと強制はしなかったのですが、いつの間にか、残る流れが作れました。
富田氏
記録が停滞すると練習環境を変えようとか思いますよね。すると、大学進学が契機となって、クラブを辞めて行ったりするんじゃないかと思うんですが・・。特に、反復練習の積み重ねだと、続けていくのが辛かったりするでしょう。だから継続するには、練習の意味を選手自身が発見しなきゃいけないことになりますね。
鈴木氏
それはありますね。だから、やっぱり、コーチは、選手の記録を伸ばしていく必要があります。記録が伸びることで、選手とコーチの信頼関係も強くなる。
富田氏
そうでしょうね。選手個人が練習の成果を目に見える形で実感しないと次のステップには進めないでしょう。
鈴木氏
そうなんです。
富田氏
そう考えると水泳というスポーツは心理学的に見ても理にかなっています。人が何で次ぎの段階へ進もうと考えるかというと、やはり結果を味わえたからなんですね。自分の中で、自身への評価が高まれば、自然に次へ向かって努力する力が湧いてきます。

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